今年もたくさんの方にご出品いただき、誠にありがとうございました。今回の作品展の申し込み総数の内訳は、個人の部は137名・155作品、団体の部は16団体となりました。

 作品全体の印象としては、コラージュ作品が非常に多く見られました。団体作品は複数名で一緒に作るのでコラージュ的な作品が多くなりますが、個人の方でも増えていることが大変ユニークで特徴的だと感じました。
 また、今回はパソコンアートやスクラッチアートという新しい手法や、針金アートなどのこれまでに見ない作品も多くあり、これからも新しい形の作品がどんどん登場してくるのではないかと期待感を持ちました。
 中には、長嶋茂雄さんや外国の戦争に関するものなど時事的なテーマ、皆様の社会への捉え方が反映された作品もいくつか見られ、興味深かったです。
 さらには、今回の作品の中に、紙を丸めて絵や立体作品に仕上げたものもありました。これは、ご自身の障がい特性を踏まえ、自分はこういう作品なら出せるな、出してみようかと考えられたのではないかと、発想の面白さも感じました。

 個人の部について、上位の方の点数は横並びで点数を付けるのが難しく、さらにレベルが上がってきていると感じます。そのレベルの高い作品の中で、松尾英昭さんが二年連続で最優秀賞を受賞されました。審査員一同、見ほれるような素晴らしい作品でした。その他の作品も、皆様一人ひとりが工夫して一生懸命頑張っているなという印象で、とても感動しました。

 団体作品では、「障がい者ビジネススクール」の皆様の作品が最優秀賞となり、これまでも優秀賞を連続して受賞してこられた確かな技術力がうかがえました。また、全体としてはコラージュ作品の他、集団の中でそれぞれが分担しながら全体の作品を作りあげるというパノラマ型の作品も興味深く感じました。花火をテーマにした作品も複数あり、夏らしさを感じましたし、それぞれの作品から色彩の豊かさや素材の工夫、制作された方々の楽しい活動の様子を感じられました。

 今回出品された作品の中には、「こういうアート作品があるよ」「いろんな世界があるよ」ということを見る人の五感に訴えるものもあり、これからますます表現の可能性が広がっていくのではないかと感じました。
今後も、ご家族や支援してくださる方たちからの支えの中で、皆様方の世界がもっと広がり、素晴らしい才能が発揮される可能性を秘められているものと注目しております。

 来年も皆様の創意工夫にあふれた素晴らしい作品、創作の様子がうかがえる温かな作品の数々をお待ちしております。

 

希望荘運営委員会

  • 川本 浩右 (希望荘運営委員会委員長)
  • 宮田 喜代志 (熊本市心の障害者家族会会長)
  • 西 惠美 (熊本市手をつなぐ育成会会長)
  • 寺尾 賢二郎 (熊本市ろう者福祉協会会長代理)
  • 井上 遥 (慶誠高等学校教諭)
  • 星子 和徳 (熊本市社会福祉事業団常務理事)